薬剤師×保育士のブログ 

薬剤師と保育士の両面を活かした内容の記事を書きたいと思ってます。主に子どもの薬について書いていこうと思います。

新薬「アビガン」について催奇形性も含めて解説します

 

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アビガンは、新型インフルエンザに使われる薬

 

アビガン 錠は、富山化学工業株式会社(現:富士フイルム富山化学株式会社)により創薬された抗インフルエンザウイルス薬です。実はインフルエンザの薬は剤型なども色々あってタミフル(カプセル)、リレンザ、イナビル(吸入)、ラピアクタ(点滴)、ゾフルーザ(錠剤)などがあります。

 

アビガンは錠剤です。

 

アビガン錠に関する情報 | 富士フイルム富山化学株式会社

 

アビガンは、新型又は再興型インフルエンザウイルス感染症が発生した時に、国が判断した場合にのみ、患者への投与が検討される医薬品であり、厚生労働大臣からの要請を受けて製造販売を行っていました。ちなみに国が判断する薬なんて、かなり特殊ですよ?

 

これまでの抗インフルエンザウイルス薬と異なる作用があり、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素であるRNAポリメラーゼを選択的に阻害し、抗インフルエンザウイルス活性を示します。RNAウイルスは、RNAポリメラーゼがないと増えることができません。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)もRNAウイルスなので、アビガンの効果が期待されていて、中国や日本で沢山の臨床研究が実施されているところです。 

 

臨床試験、そして新型インフルエンザの時と用量が違う

 

アビガンの臨床試験では、新型インフルエンザウイルスに対して使用する時より用量を増やして投与期間も長くしています。

 

披検対象は、20歳から74歳で、PCR検査で新型コロナウイルス陽性となり、胸部画像での肺病変、37.5℃以上の発熱、治験薬投与開始前の妊娠検査で陰性を認める入院患者です。酸素吸入が必要な患者は対象外となりました。

 

被験者を、

A:標準治療+アビガンを服用する人々

B:標準療法+プラセボ(偽薬)を服薬する人々に分けて、

28日間、アビガンの有効性、安全性を評価します

プラセボ(偽薬)を服用する群と比較することで、薬の効果を確認する方法ですね。

もしかしたら、薬は関係なく治ってる可能性もありますからね。

特に痛み止めなんかは、プラセボでも結構効いたりして、なかなか有意差がでなかったりします。 「病は気から」に通じるものがありますよね。

 

<用法・用量>

1日目   1日1回1800mg(インフルより200mg増)×2回、

2日目以降 1日1回800mg(インフルより200mg増)×2回で、

最長14日間(インフルより9日長い)、経口投与します。

 

 

効果の判定。アビガンを飲んでるか、偽物か、本人たちは知らない


効果の判定項目は、体温、酸素飽和度、胸部画像所見の軽快、SARS-CoV-2が陰性化するまでの期間です。具体的には、症状軽快後、48時間後に一定の間隔で2回のRT-PCR検査を実施し、2回とも陰性だった患者を抽出して、投与開始から1回目のRT-PCR検査で陰性が出るまでの期間をアビガン群とプラセボ群で比較します。

 

「実際に服用しているよ」という方が居たとしてもおそらく現行では「アビガンを飲んでいるか、プラセボ(偽薬)を飲んでいるか」は服用している本人達はわからないはずです。

 

2020年6月末にも臨床試験が終了する見通しです。

待ち遠しいですね。

ワクチンはもっと時間がかかると言われています。。

 

他にもBCGが効果があるのでは?とも言われています。

これはBCGを接種している国が他の国に比べてコロナにかかっている人の割合が少ないためです。実際BCGがコロナウイルスに効くという実験結果があるわけではないですので注意しましょう。

ちなみにBCGは結核に対するワクチンですよね。

皆さんの腕に残っているはんこ型の痕ができる原因です。

スタンプ注射のイラスト

 

アビガンの催奇形性とは アビガンは軽々しく使ってはいけない

 

さて、ここでアビガンについて、重要な副作用について確認しておきましょう!

 

重要な副作用は、添付文書(お薬の説明書です)から確認できます。

 

<アビガン添付文書の警告欄から見ることができます>

【警告 】
1. 動物実験において、本剤は初期胚の致死及び催奇形性が確認されていることから、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと(「禁忌」及び「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。
2. 妊娠する可能性のある婦人に投与する場合は、投与開始前に妊娠検査を行い、陰性であることを確認した上で、投与を開始すること。また、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間はパートナーと共に極めて有効な避妊法の実施を徹底するよう指導すること(「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。なお、本剤の投与期間中に妊娠が疑われる場合には、直ちに投与を中止し、医師等に連絡するよう患者を指導すること。
3. 本剤は精液中へ移行することから、男性患者に投与する際は、その危険性について十分に説明した上で、投与期間中及び投与終了後7日間まで、性交渉を行う場合は極めて有効な避妊法の実施を徹底 (男性は必ずコンドームを着用) するよう指導すること。また、この期間中は妊婦との性交渉を行わせないこと(「6妊婦・産婦・授乳婦等への投与」及び「薬物動態 2.分布」の項参照)。
4. 治療開始に先立ち、患者又はその家族等に有効性及び危険性(胎児への曝露の危険性を含む) を十分に文書にて説明し、文書で同意を得てから投与を開始すること(「禁忌」、「2.重要な基本的注意」及び「6.妊婦・産婦・授乳婦等への投与」の項参照)。
5. 本剤の投与にあたっては、本剤の必要性を慎重に検討すること。

こちらをみてもらうとわかるかと思いますが、アビガンには催奇形性があります。

催奇形性=生まれた子供が奇形になる可能性があるということです。

 

よって、妊婦さんには禁忌(使用不可)となります。また、妊娠する可能性のある婦人に対しては、まず検査をして、陰性であること確認してからの投与となります。精液に移行するため、男性もアビガン服用中はもちろん、服用終了後も7日間は性交渉は極めて有効な避妊法を実施するように指導されます。

さすがに指導しづらいやつですね。。💦

 

つまり軽度の状態でもどんどんアビガンを使えばいいやという考えは間違いです。

 

 

アビガンは劇薬という部類に入ります。今回は催奇形性にフォーカスを当てましたが、他にも沢山注意することがあります。今後厚生労働省から承認を受けたとしても、必ず、医師の指示、薬剤師の指示に従って安全に使用していただくお薬となります。

 

最後に

 

いかがだったでしょうか。

アビガンがもしコロナの治療に役立つことが分かれば、治療の一つの選択肢となります。万能薬ではないことをご注意しましょう。インフルエンザでいうタミフルみたいなものです😃

 

ちなみタミフルは感染後、48時間以内に服用しなければ効果がありません。

なぜなら、48~72時間後にはウイルスがすでに「増えすぎている」ためです。

その後、抗ウイルス薬を使ったところで効果は得られないと言われています。

 

アビガンも同じようにウイルスを抑える薬なので、早めに服用したいところですが、

感染したとしても、潜伏期間がながい上、「無症状」である場合が多いため、なかなか厳しいところですね。

 

検査体制の強化、アビガンを使用するタイミングの検討が必要です。

 

それでは皆様の健康と、安らぎをお祈りいたします。

最後までご覧いただきありがとうございました。