薬剤師×保育士のブログ 

薬剤師と保育士の両面を活かした内容の記事を書きたいと思ってます。主に子どもの薬について書いていこうと思います。

妊活中&妊婦さんに必要な「葉酸」について解説します

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葉酸について

 

Folic Acid(葉酸)

 

葉酸に対する一般の方のイメージは、、

 

妊婦さんはしっかり摂っておいたほうがいい」

 

薬剤師の方であれば、、

 

メトトレキサート等のリウマチのお薬を飲むときに副作用を防ぐために服用する」

 

といった知識をお持ちの方もおられるかと思います。

 

「葉酸」という言葉自体、もしかしたら男性はそこまでなじみはないかもしれませんが、このブログを読んでいただき、しっかり知識を付けておくと、奥さんが妊活&妊娠するときにもお役立ちいただけるかもしれません。

 

葉酸は実は、ビタミンの一種で、ビタミンM、ビタミンB9と呼ばれています。

葉酸の推奨量は、成人・高齢者の方と、妊婦さんでは異なります。

それではみていきましょう。

 

 

成人や高齢者の葉酸の役割と推奨量

 

貧血のイラスト

 

葉酸は成人や高齢者の方では貧血を予防する効果があります。

 

そこで、240μg/日の食事性葉酸が推奨されています。

 

葉酸については消化管からの吸収率が年齢や性別の影響を受けません。

 

え、貧血?鉄分が足りないんじゃないの?

 

鉄分だけじゃなくて、実はビタミンB12や葉酸(=ビタミンB9、ビタミンM)が欠乏した場合にも、貧血になることがあります。これは鉄欠乏性貧血ではなくて、巨血芽球性貧血と言われます。

 

ビタミンB12と葉酸のどちらかが欠乏するとDNA合成がうまくいかず、未熟な赤血球(これを巨血芽球と言います)ができます。

 

ビタミンB12の欠乏は胃の全摘出などで、ビタミンの吸収が障害され起こることが多いです。

 

また、生活習慣としては、野菜をあまり食べなかったり、アルコールの大量摂取をすると葉酸が不足しがちです。

 

妊娠・授乳中は特に葉酸が多く必要となるので不足しやすくなります。

 

 

他には薬(メトトレキサート)や透析によって不足する場合もあります。

 

【専門的な内容】 

また、葉酸の不足は動脈硬化の引き金等になる血清ホモシステイン値を高くします。ホモシステインは,必須アミノ酸であるメチオニンの代謝産物です。ビタミンB6、B12、葉酸の不足によって高くなることが知られています。動脈硬化発症の機序としては酸化ストレスが主体と考えられています。

 

 

 

妊娠初期の葉酸について

 

胎児のイラスト

妊娠初期(妊活中)は食事性240μg+サプリメント等から400μgが推奨されています。

 

 

子どもの神経の管の形成異常は、妊娠後およそ 28 日で起こります。

 

病気の名称としては、無脳症、二分脊椎、髄膜瘤などと言われます。

 

2011~2015 年において1万人中6人ぐらいの頻度で起こりました。

 

妊娠中絶も含めるとその発生率は 1.5 倍程度になるとも言われています。

 

妊娠前後に葉酸のサプリメントを投与することによってこのような障害リスクが減ります。

 

そこで、神経管閉鎖障害発症の予防のために摂取が望まれる葉酸の量を、サプリメントや食品中に強化される葉酸として 400 µg/日とされています。
 

妊娠前と妊娠初期の推奨量:240μg+800μg(サプリ等では400μg)

 

 

 

妊娠中期~後期の葉酸について

 妊婦・妊娠のイラスト(赤ちゃん)

妊娠時(中期及び後期)は、葉酸の分解や排泄が促されるため、 成人や高齢者の量に加えて、さらに240μgを加えた量が推奨されます。

 

妊娠中(中期~後期)の推奨量:240μg+240μg=480μg

 

そもそも葉酸は食事から摂れるか

はい。葉酸は食事から摂ることができる成分です。

 

食事に含まれる葉酸は「ポリグルタミン酸」と呼ばれていて、これを食事性葉酸といます。

 

どんな食品に含まれているかはバイエル薬品の記事が分かりやすいです!

 

良かったらご参照ください🍀

葉酸とは:どの食べ物に含まれているの?種類や適正量は?|エレビット (Elevit)|バイエル薬品

 

枝豆のイラスト

食事性葉酸は、調理する中で、また、摂取された後、胃の中や小腸の中でたんぱく質から遊離します。遊離した食事性葉酸のほとんどは腸内の酵素によって消化されて、「モノグルタミン酸」型になった後に、小腸から吸収されて血管内、細胞内に入ります。

 

【専門的な内容】 

実は、そこで補酵素型になるには、さらに再び「ポリグルタミン酸」型となる必要があり、メチオニンシンターゼ(ビタミン B12 が必要)によるメチル基転移反応により、テトラヒドロ葉酸となることが必須です。

 

サプリなどで摂取するときは、体で効率的に使用(約85%)できる「モノグルタミン酸」の葉酸で摂取することができます(狭義の葉酸)。

妊活中や、妊娠初期にはサプリメントや葉酸を強化した食品を摂ることが大切です。

 

日本人の場合、狭義の葉酸に比べ、実際に使われる葉酸は摂取した分の50%程度と言われています。また食品の葉酸が一緒に食べるものによっても吸収が変わってくるので、必要量を適切に摂取するのは食品からは難しいです。

必要に応じて、食事だけでなく、サプリメントなどから摂取したほうがよさそうですね🐈

 

 

 

最後に

いかがだったでしょうか。

 

葉酸は過剰になった場合の健康被害については特に報告が存在しません。(厚生労働省)特に妊娠初期はしっかり葉酸を摂っておくことをお勧めいたします。

 

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それでは今回はこの辺で。

皆さんの何かお役に立てていれば幸いです✨

最後までご覧くださりありがとうございました🍀



 

【この記事の参考URL】

*厚生労働省ホームページ

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08517.html

【参考文献】

*Influence of Serum Homocysteine Level on Coronary Atherosclerosis in Japanese

 J Cardiol 2004 May; 43(5): 223 – 229